韓国産ひじきは日本産・中国産よりヒ素含有量がはるかに多い、という一調査結果。ひじきヒ素検出の台湾報道その後。
韓国産原料や日本産原料から作られた乾燥ひじきから、台湾国内の基準値を大幅に超える無機ヒ素が検出されたという事件の、その後です。
ニュースポータルサイトで調べて見た分には、6月上旬以降、現地台湾でその後の報道がなされた様子はありません。
コンニャクは、彩りのためにひじき等の海藻を入れて黒くしたものが最も一般的である。(Wikipedia 参照)
日本人にとっては、ひじきは身近な海産物であり、煮付けや和え物などの伝統的な料理に加え、最近では、ご飯に混ぜたり、サラダ、酢の物、天ぷらなどさまざまなレシピが登場しています。
身近なそうざいや弁当などでよく見かけるだけに、ヒジキにはヒ素が含まれるものだと既に知っているかたも多いようです。
ですから、日本国内では消費者に冷静な対応が期待できるのですが、台湾国内の消費者にとっては、どうでしょうか。やはり衝撃であるとともに、日本食品の安全性に疑念がひとつ生じたことでしょう。
なお、台湾国内には、日本から様々な大手飲食チェーン店が進出していることをはじめ、日常生活で日本料理を食べられる機会はふつうにあります。
ヒジキからヒ素が基準値を超過して検出(2015.06.05) 報道をふり返る
おさらいのために、6月上旬の報道等をふり返ってみましょう。
台湾 衛生福利部 食品薬物管理署 1040605-不合格檢體照片 http://www.fda.gov.tw/tc/includes/GetFile.ashx?mID=19&id=37881&chk=ebb58053-a71e-441f-ab8d-49f9c426b03c (当該商品写真掲載)
日進口羊栖菜 連2年驗出致癌砷 - 自由時報電子報 2015-06-06 (当該商品写真掲載)
日本企業3社の製品が基準値超過になってしまったわけですが、次に、そのなかの一社が、週末にされた報道の後、翌週いち早く発信した資料を見てみましょう。
■大忠長昆布(羊栖菜) [韓国産原料] :大忠食品株式會社 三重県伊勢市
大忠食品 2015年6月8日 ひじき加工品”に含まれる無機ヒ素の台湾での報道について
(画像 大忠食品 http://www.daichu-foods.co.jp/pdf/hijikihiso_kenkai.pdf より引用)
消費者にとっての安心とは何かと考えられたうえで、迅速な発信を実践されたのだと思われます。こういった際の対応にこそ社風が表れます。
報告内容については、従前より言われていることを、消費者の不安を払拭するために改めて紹介したものです。
韓国産ひじきにヒ素含有量が多いという検査結果
それはそれとして、韓国産ひじきです。日本産や中国産と比べて、なぜこれほどまでにヒ素含有量が異なるのでしょうか。日本産と比べると165%ほどの含有量です。
品種の違いであるのか。採取時期によるものなのか。それとも、環境要因が絡んでいるのか。検体数が少ないために、たまさかそういう結果が出ただけなのか。よくわかりませんが、すっきりしないものを感じます。
しかし、検体数が12ということなので、日・中・韓それぞれわずか4検体ずつの、しかも一回のみの調査だということなので、韓国産ひじきの安全性について、この結果だけをもって、あれこれとすぐに結論づけることは避けるべきだと思います。
いずれにせよ、日・中・韓のヒジキのどれもが、「水戻し」処理しないものですら、「健康に影響を及ぼす」レベルをはるかに下回っているヒ素含有量であるというのが、調査の結果です。
他2社・・・。
■真田山城屋三重縣產羊栖菜(長) [日本・三重県産原料]
:株式會社真田 京都府
http://www.yamashiroya.co.jp/
http://www.kanbutsuya.jp/fs/yamashiroya/c/yamashiroya/
>お客様にとっての安全とは、安心とは何か、常に自問自答を繰り返し、常に改善を加えることで、一つ上の乾物づくりを実践しています。
■品名:長羊栖菜 [日本・伊勢志摩産原料]
:北村物產株式會社 三重県伊勢市 http://www.hijiki.jp/
(更新:2015.06.25)
■記事後記
韓国産ひじきのほとんどは、養殖だそうです。どこの海なのか、気になります。
消費者は、食品会社の矜持に期待しています。
こちらの記事もおすすめします